離婚を考えたとき、多くの方が最初に悩むのが「離婚協議書をどう書けばいいのか」という問題です。
2026年4月1日施行の民法等改正により、離婚時の取り決めでは、親権、監護、養育費、親子交流をより丁寧に整理することが重要になりました。

とくに、離婚後に父母の双方が親権を持つ共同親権を選択できるようになり、養育費については法定養育費も新設されています。

そのため、古いテンプレートをそのまま使うのではなく、改正法に対応した離婚協議書を作成することが大切です。

この記事では、行政書士の実務を踏まえて、

  • 2026年改正対応の離婚協議書テンプレート
  • そのまま使える記載例(サンプル)
  • 単独親権・共同親権それぞれの書き方
  • 養育費・親子交流条項の最新の書き方

をわかりやすく解説します。

この記事を読むことで、

✔ 離婚協議書の基本構造
✔ 最新の法改正に対応した条項
✔ トラブルを防ぐ書き方

がすべて理解できます。

これから離婚協議書を作成する方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次 [ close ]
  1. 離婚協議書とは?目的と法的効力
    1. 協議離婚における合意書の意味
    2. 家庭裁判所調停との違い
  2. 離婚協議書の雛形・テンプレート無料ダウンロード
    1. Word・PDF形式の無料テンプレート
    2. 離婚協議書(雛形)
  3. 雛形の使い方と注意点
    1. ①金額や期限は必ず具体的に書く
    2. ②口約束は必ず条項にする
    3. ③可能であれば公正証書にする
    4. ④法改正に対応した条項にする
    5. 項目を削除・追加する際のルール
  4. 3. 離婚協議書の記載例(サンプル全文)
    1. 夫婦双方の基本情報と署名欄
    2. 条項構成の標準モデル(2026年版)
  5. 親権条項の書き方(単独親権・共同親権の違い)
    1. 単独親権の場合の記載例
    2. 共同親権の場合の記載例
  6. 養育費の決め方と記載例(法定養育費対応)
    1. 法定養育費と取り決め養育費の違い
    2. 算定表による目安
  7. 親子交流(面会交流)条項の新しい書き方
    1. 改正民法に基づく親子交流の位置づけ
    2. 頻度・方法・調整の記載例
  8. 財産分与・慰謝料・年金分割の記載例
    1. 財産分与の基本モデル
    2. 慰謝料を定める際の書き方
    3. 年金分割の取決めと届出方法
  9. 離婚協議書を公正証書にするメリット
    1. 公証役場での手続きの流れ
    2. 強制執行認諾条項の効力
  10. よくある質問(Q&A)
    1. Q1.どちらが協議書を作るべき?
    2. Q2.書式に決まりはある?
    3. Q3.共同親権選択の場合の注意点
  11. 行政書士に相談して作成するメリット
    1. 法改正対応の正確な条項設計
    2. 公正証書化までの一括支援
    3. 鹿児島の行政書士による実例紹介

離婚協議書とは?目的と法的効力

離婚協議書とは、夫婦が離婚の際に合意した内容を書面にまとめた契約書です。

協議離婚では、夫婦が話し合って離婚条件を決めますが、離婚届の提出だけで成立するため、合意内容が自動的に記録されるわけではありません。

そのため、

  • 親権
  • 監護者
  • 養育費
  • 親子交流(改正前の面会交流)
  • 財産分与
  • 慰謝料
  • 年金分割

などの取り決めを書面に残すことが重要です。

離婚協議書を作成しておけば、

  • 合意内容を明確にできる
  • 将来の紛争を防げる
  • 公正証書にすれば強制執行も可能になる

という大きなメリットがあり、後日のトラブルを防ぎやすくなります。

特に、養育費や慰謝料の支払いがある場合は、公正証書にしておくことで、未払い時に強制執行につなげやすくなります。
離婚時には、離婚届だけでなく離婚協議書も作成しておくことが実務上とても重要です。


協議離婚における合意書の意味

日本の離婚の約9割は 協議離婚といわれています。

協議離婚とは、夫婦が話し合いで離婚に合意し、離婚届を提出することで成立する離婚です。

家庭裁判所の手続きを必要としないため、比較的簡単に離婚できるのが特徴です。

ただし、その反面、
養育費を口約束だけで決めたり、親子交流の条件を決めなかったりすると、離婚後に争いが起こりやすくなります。
こうしたトラブルを防ぐために、離婚時の取り決めを文書化したものが離婚協議書です。

離婚協議書は法律上必須ではありませんが、実務では作成しておくことが強く推奨されます。

家庭裁判所調停との違い

離婚の方法には、主に次の3種類があります。

離婚の方法内容
協議離婚夫婦の話し合いで離婚
調停離婚家庭裁判所の調停で離婚
裁判離婚裁判で離婚を決定

調停離婚や裁判離婚では、離婚条件が調停調書や判決書に残り、一定の強制力を持ちます。

一方、協議離婚では、離婚届を提出するだけでは条件が書面として残りません。
そのため、協議離婚では離婚協議書を作成し、必要に応じて公正証書にしておくことが重要です。

書面化しないと起きやすいトラブル例

離婚協議書を作らずに離婚すると、次のようなトラブルが起こりやすくなります。

①養育費が支払われなくなる

口約束だけでは、
「払うと言った覚えはない」
「金額を決めていない」
といった争いになりやすくなります。

②親子交流を拒否される

親子交流の取り決めがないと、

  • 面会の頻度
  • 面会方法
  • 連絡方法

などを巡ってトラブルになることがあります。

③財産分与で再び争いになる

離婚後に

「この預金は共有財産だった」
「退職金も分与対象だ」

といった争いが生じることもあります。


このようなトラブルを防ぐためにも、
離婚時には合意内容を明確にし、
離婚協議書を作成することが重要です。

なお、養育費や慰謝料など金銭支払いを確実にしたい場合は、公正証書にしておくことが強く推奨されます。

次の章では、2026年の法改正に対応した離婚協議書の雛形(無料テンプレート)を紹介します。
Word・PDF形式で使える形で公開していますので、ぜひ参考にしてください。

離婚協議書の雛形・テンプレート無料ダウンロード

離婚協議書には法律上の決まった書式はありませんが、実務では、離婚の合意、親権、監護、養育費、親子交流、財産分与、慰謝料、年金分割、清算条項を順に整理する構成がよく使われます。

その構成に沿って作成することで、

  • 必要事項の漏れを防ぐ
  • 将来のトラブルを防止できる
  • 公正証書化もしやすくなる

というメリットがあります。

ただし、テンプレートはあくまで一般的な雛形なので、子どもの有無、共同親権を選ぶかどうか、財産の内容などに応じて修正が必要です。

以下は、2026年4月施行の改正法を踏まえた記載例です。

そのまま編集して使える Word版 と、印刷して利用できる PDF版 を用意しています。


Word・PDF形式の無料テンプレート

以下は、実務で使用される標準的な離婚協議書の雛形です。

離婚協議書(雛形)

離婚協議書

夫〇〇〇〇(以下「甲」という。)と妻〇〇〇〇(以下「乙」という。)は、両者間の離婚に関し、次のとおり合意し、本協議書を作成する。

第1条(離婚の合意)
甲と乙は協議離婚することに合意し、乙を離婚届の提出者として、速やかに離婚届を提出する。

第2条(親権)
未成年の子〇〇〇〇(令和〇年〇月〇日生)の親権者を〇〇と定める。

第3条(監護者)
子の監護者を〇〇と定め、子は〇〇と同居して養育されるものとする。

第4条(養育費)
甲は乙に対し、子の養育費として、令和〇年〇月から子が満20歳に達する日の属する月まで、毎月末日限り金〇万円を支払う。
支払いは乙名義の次の口座に振り込む方法により行うものとする。

第5条(親子交流)
甲と子の親子交流については、月〇回程度を目安として行うものとし、具体的な日時・方法については甲乙が誠実に協議して決定する。

第6条(財産分与)
甲は乙に対し、財産分与として金〇〇万円を支払う。
支払期限は令和〇年〇月〇日とする。

第7条(慰謝料)
甲は乙に対し、慰謝料として金〇〇万円を支払う。

第8条(年金分割)
甲および乙は、厚生年金保険法に基づく年金分割の手続きを行うことに合意する。

第9条(清算条項)
甲乙は、本協議書に定めるほか、離婚に関して互いに何らの債権債務がないことを確認する。

本協議書の成立を証するため、本書2通を作成し、甲乙各自署名押印の上、各1通を保有する。

令和〇年〇月〇日

住所
氏名 甲 〇〇〇〇 印

住所
氏名 乙 〇〇〇〇 印


この雛形をベースに、

  • 親権
  • 養育費
  • 親子交流
  • 財産分与

などの内容を具体的に記載していきます。

離婚協議書の雛形(Word・PDF)を無料公開しています。
Word版は自由に編集できるため、ご自身の状況に合わせて内容を変更できます。
PDF版は印刷して手書きで記入できます。

次の項目では、この雛形を実際に使う際のポイントを解説します。

雛形の使い方と注意点

離婚協議書の雛形は、あくまで 一般的なモデル条項です。
そのまま使える部分もありますが、
必ず ご自身の事情に合わせて内容を調整する必要があります。

特に注意すべきポイントは次のとおりです。

①金額や期限は必ず具体的に書く

離婚協議書では、内容を曖昧にすると後のトラブルの原因になります。

例えば養育費の場合、

悪い例

養育費を毎月支払う

良い例

甲は乙に対し、養育費として毎月末日限り金5万円を支払う。

このように、

  • 金額
  • 支払日
  • 支払方法

を明確に書くことが重要です。

②口約束は必ず条項にする

離婚時には、

  • 面会交流の頻度
  • 学費の負担
  • 引越し時の連絡

などについて口約束で決めるケースがあります。

しかし、書面に記載していない内容は証明が難しくなるため、
重要な取り決めは必ず離婚協議書に盛り込みましょう。

③可能であれば公正証書にする

離婚協議書は、当事者が署名押印すれば契約書として有効です。

ただし、養育費や慰謝料の支払いがある場合には、
公正証書にしておくことで、未払い時の強制執行につなげやすくなります。

④法改正に対応した条項にする

2026年4月1日の民法改正により、離婚時の取り決めには

  • 共同親権
  • 法定養育費
  • 親子交流

などの重要な制度が導入されています。

そのため、古いテンプレートをそのまま使うのではなく、
改正民法に対応した雛形を使用することが重要です。

項目を削除・追加する際のルール

離婚協議書は、夫婦の状況に応じて 条項を追加・削除することが可能です。

ただし、次のポイントを意識して編集する必要があります。

①条文番号は必ず整理する

条項を削除した場合、条文番号がずれてしまうことがあります。

第1条
第2条
4

のような状態にならないよう、必ず番号を整理しましょう。

②清算条項は基本的に残す

離婚協議書の最後に置かれる「清算条項」は、非常に重要な条項です。

この条項があることで、

  • 離婚後の追加請求
  • 財産分与の蒸し返し

を防ぐことができます。

そのため、特別な事情がない限り、原則として残しておくのが安全です。

③子どもがいる場合は必須条項がある

未成年の子がいる場合には、次の事項を必ず検討します。

  • 親権
  • 監護者
  • 養育費
  • 親子交流

これらを決めずに離婚すると、
後に家庭裁判所での調停が必要になることもあります。

次の章では、実際に使える 離婚協議書の記載例(サンプル全文)を紹介します。
条文の具体的な書き方を、2026年改正に対応した形で解説していきます。

3. 離婚協議書の記載例(サンプル全文)

ここでは、実際の離婚協議書に近い形で 標準的な記載例(サンプル全文)を紹介します。

離婚協議書には決まった書式はありませんが、実務では次のような構成で作成するのが一般的です。

  • 夫婦の基本情報
  • 離婚の合意
  • 親権・監護
  • 養育費
  • 親子交流
  • 財産分与
  • 慰謝料
  • 年金分割
  • 清算条項
  • 署名押印

特に 2026年の民法改正後は、
親権・監護者・養育費・親子交流の条項が重要になります。

以下では、実務でよく使われる形式の離婚協議書のサンプルを紹介します。


夫婦双方の基本情報と署名欄

離婚協議書の冒頭では、まず 当事者である夫婦の基本情報を明記します。

一般的には、

  • 氏名
  • 住所
  • 「甲」「乙」の呼称

を最初に定めます。

記載例

離婚協議書

夫〇〇〇〇(以下「甲」という。)と妻〇〇〇〇(以下「乙」という。)は、両者間の離婚に関し、次のとおり合意した。

そして協議書の最後には、当事者双方が署名押印する署名欄を設けます。

署名欄の記載例

本協議書の成立を証するため、本書2通を作成し、甲乙各自署名押印の上、各1通を保有する。

令和〇年〇月〇日

住所
氏名 甲 〇〇〇〇 印

住所
氏名 乙 〇〇〇〇 印

署名欄では、

  • 必ず本人が自署すること
  • 印鑑を押すこと

が重要です。

特に将来、公正証書化を検討している場合には、
実印での押印が望ましいとされています。


条項構成の標準モデル(2026年版)

2026年4月1日施行の民法改正後、
離婚協議書の条項構成は次のような形が 実務上使いやすいです。

標準条項モデル

1 離婚の合意
2 親権
3 監護者
4 養育費
5 親子交流
6 財産分与
7 慰謝料
8 年金分割
9 清算条項

特に重要なのは、

  • 親権と監護者を分けて書くこと
  • 親子交流を明確にすること

です。

離婚協議書サンプル(条項全文)

第1条(離婚の合意)
甲と乙は、協議離婚することに合意し、乙を離婚届の提出者として速やかに離婚届を提出する。

第2条(親権)
甲乙間の未成年の子〇〇〇〇(令和〇年〇月〇日生)の親権者を乙と定める。
共同親権を選択する場合は、甲乙間の未成年の子〇〇〇〇(令和〇年〇月〇日生)の親権は、甲および乙が共同して行うものとする。

第3条(監護者)
子の監護者を乙と定め、子は乙と同居して養育されるものとする。
共同親権を選択する場合でも、実際に子を養育する者を明確にしておくことが重要です。

第4条(養育費)
甲は乙に対し、子の養育費として令和〇年〇月から子が満20歳に達する日の属する月まで、毎月末日限り金〇万円を支払う。
支払いは乙名義の指定口座へ振込む方法により行うものとする。

第5条(親子交流)
甲と子との親子交流は、月1回を目安として行うものとする。
具体的な日時および方法については、甲乙が子の利益を最優先に考慮し、誠実に協議して決定するものとする。

第6条(財産分与)
甲は乙に対し、財産分与として金〇〇万円を支払う。
支払期限は令和〇年〇月〇日とする。

第7条(慰謝料)
甲は乙に対し、本件離婚に関する慰謝料として金〇〇万円を支払う。

第8条(年金分割)
甲および乙は、厚生年金保険法に基づく年金分割の手続きを行うことに合意する。

第9条(清算条項)
甲乙は、本協議書に定めるほか、離婚に関して互いに何らの債権債務がないことを確認する。

この条項構成が使われる理由

この条項構成は、実務上次の理由から広く使われています。

①重要事項を網羅できる

  • 親権
  • 養育費
  • 面会交流
  • 財産分与

など離婚時に必要な事項をすべてカバーできます。

②公正証書化しやすい

公証役場で公正証書を作成する際も、
この構成に近い形で作成されることが多いため、
そのまま公正証書の原案として使いやすいメリットがあります。

③将来のトラブルを防げる

条項を整理して書くことで、

  • 支払期限
  • 支払方法
  • 面会交流の条件

などが明確になり、離婚後の紛争を防ぐことにつながります。

とくに子どもがいる場合は、親権、監護、養育費、親子交流をセットで整理しておくことが大切です。


次の章では、
2026年の民法改正で特に重要となる 親権条項の書き方について解説します。

  • 単独親権の場合の書き方
  • 共同親権の場合の書き方
  • 監護者の定め方

など、改正法に対応した記載例を紹介します。

親権条項の書き方(単独親権・共同親権の違い)

2026年4月1日に施行された民法等改正により、離婚後の親権制度が見直されました。
これまでのように単独親権だけでなく、父母双方が親権者となる共同親権も選択できるようになっています。

そのため、離婚協議書の親権条項も

  • 単独親権
  • 共同親権

のどちらを選択するかによって、書き方が変わります。

また、共同親権の場合には、実際に子どもを養育する 「監護者」を明確にしておくことが重要です。

ここでは、それぞれのケースの記載例を紹介します。


単独親権の場合の記載例

単独親権とは、離婚後の親権を 父または母のどちらか一方が持つ形です。

従来の日本の離婚では、この形が一般的でした。

単独親権を選択する場合は、離婚協議書において どちらを親権者とするのかを明確に記載する必要があります。

記載例

第〇条(親権)
甲乙間の未成年の子〇〇〇〇(令和〇年〇月〇日生)の親権者を乙と定める。

※このように、

  • 子どもの氏名
  • 生年月日
  • 親権者

を明確に書くことが重要です。

また、単独親権の場合でも、

  • 養育費
  • 親子交流

の取り決めは必ず検討します。

共同親権の場合の記載例

2026年の民法改正により、離婚後も 父母が共同で親権を持つ「共同親権」を選択できるようになりました。

共同親権とは、子どもに関する重要事項について 父母が共同で決定する制度です。

例えば次のような事項です。

  • 進学
  • 医療
  • 住居の変更
  • 海外渡航

共同親権を選択する場合には、離婚協議書でもその旨を明確に記載します。

記載例

第〇条(親権)
甲乙間の未成年の子〇〇〇〇(令和〇年〇月〇日生)の親権は、甲および乙が共同して行うものとする。

共同親権を選択する場合でも、実際には子どもが どちらか一方の親と同居して生活することが多いため、次の監護者条項が重要です。

監護者の明示方法

監護者とは、日常生活において 実際に子どもを養育する親のことです。

共同親権の場合でも、通常は

  • 父母のどちらか
  • または父母が交代で

子どもを監護することになります。

そのため、離婚協議書では 実務上は親権と監護者を分けて書く方がわかりやすく、後日のトラブル予防にもなります。

記載例

第〇条(監護者)
子の監護者を乙と定め、子は乙と同居して養育されるものとする。

この条項を入れることで、

  • 子どもがどちらの親と生活するのか
  • 日常的な養育を誰が行うのか

が明確になります。

共同親権を選択する場合には、

  • 親権(共同)
  • 監護者(どちらか)

という 2つの条項をセットで記載することが基本です。

法務省のモデル条項との差異

民法改正に伴い、法務省も 共同親権に関するモデル条項を公表しています。
法務省が示す考え方は、親子交流や監護を含めて子の利益を最優先に整理するものです。

ただし、実務で使用される離婚協議書では、法務省モデルをそのまま使用するとは限りません。

主な違いは次の点です。

①監護者条項を独立させる

法務省モデルでは、親権条項の中で監護について触れる場合があります。

しかし実務では、

  • 親権
  • 監護者

別条項として書く方が一般的です。

これは、後の紛争を防ぐためです。

②親子交流条項を必ず入れる

法務省モデルは比較的シンプルな条文ですが、実務では

  • 面会の頻度
  • 面会方法

などを具体的に定めることが多くなっています。

③養育費条項とセットで設計する

親権や監護者を定める場合、実務では必ず

  • 養育費
  • 親子交流

をセットで設計します。

これは、子どもの利益を守るためです。


このように、離婚協議書では単に親権を決めるだけでなく、

  • 誰が子どもを養育するのか
  • 養育費はいくらか
  • 親子交流はどうするのか

を、一体で設計することで、離婚後の混乱を防ぎやすくなります。

次の章では、離婚協議書の中でも特にトラブルが多い 養育費条項の書き方について解説します。

  • 養育費の決め方
  • 法定養育費と取り決め養育費の違い
  • 支払方法の具体例

などを、2026年改正に対応した形で説明します。

養育費の決め方と記載例(法定養育費対応)

離婚協議書を作成する際、最も重要な条項の一つが 養育費です。

養育費とは、離婚後に子どもを養育するために必要な費用を、父母がそれぞれの経済力に応じて分担するものです。

具体的には次のような費用が含まれます。

  • 食費
  • 住居費
  • 教育費
  • 医療費
  • 衣服費

2026年4月1日施行の民法改正では、養育費について 「法定養育費」制度が導入されました。

そのため、現在の離婚実務では

  • 法定養育費
  • 取り決め養育費

の違いを理解した上で、離婚協議書に明確な条項を定めることが重要です。

法定養育費と取り決め養育費の違い

2026年の民法改正では、離婚後の子どもの生活を守るため、法定養育費制度が導入されました。

これは、父母の間で養育費の取り決めがない場合でも、一定の条件のもとで 法律上当然に養育費の支払い義務が生じる仕組みです。

整理すると、養育費には次の2種類があります。

①取り決め養育費

父母が話し合いで決める養育費です。
離婚協議書や公正証書で金額、支払日、支払方法を定めるのが一般的です。

  • 毎月5万円
  • 毎月8万円

など。

離婚時に最も一般的な形です。

②法定養育費

養育費の取り決めがない場合でも、
子どもを監護していない親に対して法律上認められる最低限の養育費です。

例えば、

  • 離婚時に養育費を決めなかった
  • 口約束だけだった

といった場合でも、監護親は一定額の養育費を請求できる可能性があります。

ただし、法定養育費はあくまで 最低限の制度であり、実際の養育費は家庭ごとの事情により変わるため、離婚協議書で具体的に定めておくことが実務上は重要です。

算定表による目安

養育費の金額を決める際には、家庭裁判所が公表している 養育費算定表が参考にされることが多いです。

算定表では、次の要素によって養育費の目安が示されています。

  • 父母の年収
  • 子どもの人数
  • 子どもの年齢
  • 父母の職業(給与所得者・自営業など)

例えば、次のようなケースを考えてみましょう。


年収500万円


年収150万円

子ども
1人(0~14歳)

この場合、算定表による養育費の目安は
月4万円〜6万円程度になります。

ただし、算定表はあくまで目安であり、

  • 私立学校の学費
  • 習い事
  • 医療費

などの事情によって調整されることもあります。

支払方法(口座振込・日付・金額の具体例)

離婚協議書で養育費を定める場合には、次の事項を具体的に書くことが重要です。

  • 支払金額
  • 支払日
  • 支払方法
  • 支払期間

曖昧な書き方をすると、後のトラブルの原因になるため注意が必要です。

記載例

第〇条(養育費)

甲は乙に対し、子〇〇〇〇の養育費として、令和〇年〇月から子が満20歳に達する日の属する月まで、毎月末日限り金5万円を支払う。

支払いは、乙名義の次の銀行口座へ振込む方法により行うものとする。

〇〇銀行
〇〇支店
普通口座
口座番号〇〇〇〇〇〇
口座名義〇〇〇〇

必要に応じて、大学等に進学した場合の取り決めや、特別費用について別途協議する条項を加えることもあります。

未払い時の強制執行条項

養育費は長期間にわたる支払いになるため、
残念ながら 途中で支払いが止まるケースも少なくありません。

そのため、養育費条項では 未払い時の対応も考えておくことが重要です。

特に、離婚協議書を公正証書にする場合には、
強制執行認諾条項を入れることができます。

これは、養育費が支払われない場合に、

  • 給料
  • 銀行口座

などを 裁判を経ずに強制執行につなげやすくなります。

条項例

甲は、本協議書に定める金銭の支払いを怠ったときは、直ちに強制執行を受けても異議がないことを認める。

※この条項を入れて 公正証書にしておくことで、養育費の支払いを確保しやすくなります。

養育費は、子どもの生活や教育に直結する非常に重要な問題です。

そのため、

  • 金額
  • 支払方法
  • 支払期間

を明確に定めた 実効性のある条項を作成することが大切です。


次の章では、2026年の民法改正でも重要視されている 親子交流条項の書き方について解説します。

  • 面会交流の頻度
  • 面会方法
  • 柔軟に変更するための条項

など、離婚後のトラブルを防ぐためのポイントを詳しく説明します。

親子交流(面会交流)条項の新しい書き方

離婚後も、子どもにとって父母の双方との関係は非常に大切です。
そのため離婚協議書では、親子交流についても具体的に取り決めておくことが重要です。

親子交流とは、離婚後に子どもと別居する親が 子どもと会ったり、連絡を取り合ったりする機会のことをいいます。

例えば次のような形が含まれます。

  • 面会
  • 一緒に外出する
  • 宿泊
  • 電話やオンライン通話
  • 手紙やメッセージのやり取り

2026年4月1日施行の民法改正では、子どもの利益を最優先に考え、親子交流の重要性がより強調される制度設計となりました。

そのため離婚協議書でも、

  • 頻度
  • 方法
  • 調整方法

を具体的に定めておくことが望ましいとされています。


改正民法に基づく親子交流の位置づけ

民法では、離婚後の父母は 子の利益を最も優先して、子の養育に関する事項を定めるべきとされています。

その中でも重要な項目の一つが 親子交流(面会交流)です。

離婚後に親子交流を適切に行うことは、

  • 子どもの心理的安定
  • 親子関係の維持
  • 子どもの健全な成長

にとって大切だと考えられています。

また、離婚時には

  • 親権
  • 監護者
  • 養育費
  • 親子交流

といった事項を 事前に話し合って決めておくことが重要です。

もし親子交流の取り決めをしないまま離婚してしまうと、

  • 会わせてもらえない
  • 突然面会を拒否される
  • 面会条件で争いになる

などのトラブルが起きる可能性があります。

そのため、離婚協議書では 親子交流条項を設けておくことが望ましいとされています。

頻度・方法・調整の記載例

親子交流条項では、できるだけ 具体的な内容を定めることが大切です。

例えば、

  • 面会の頻度
  • 面会の方法
  • 面会の場所

などです。

記載例

第〇条(親子交流)

甲は、子〇〇〇〇と月1回程度、親子交流を行うことができる。

親子交流の日時、場所および方法については、甲乙が子の利益を最優先に考慮し、誠実に協議して決定するものとする。

また、必要に応じて

  • 学校行事への参加
  • 長期休暇中の宿泊
  • 電話やオンライン面会

などについても定めることができます。

条項を具体化する例

例えば次のような形です。

具体例

  • 毎月第2土曜日に面会する
  • 夏休みに3日間の宿泊交流を行う
  • 月2回オンライン通話を行う

ただし、あまり細かく決めすぎると、かえって柔軟な対応が難しくなる場合もあります。

そのため実務では、

  • 基本ルールを決める
  • 詳細は話し合いで調整する

という形にするケースが多く見られます。

話し合いで変更する場合の定め方

子どもの成長に伴い、親子交流の形は変化していきます。

例えば、

  • 学校の行事
  • 習い事
  • 部活動
  • 進学

などによって、面会の頻度や方法を調整する必要が出てくることがあります。

そのため離婚協議書では、将来変更する場合のルールも定めておくことが重要です。

記載例

甲乙は、子の成長や生活状況の変化に応じて、親子交流の方法について協議し、必要に応じて変更することができるものとする。

このような条項を入れておくことで、

  • 子どもの状況に合わせた柔軟な対応
  • 父母間のトラブルの防止

につながります。


親子交流条項は、単に面会の頻度を決めるだけでなく、子どもの利益を中心に設計することが重要です。

離婚協議書では、

  • 親権
  • 監護者
  • 養育費
  • 親子交流

をセットで整理することで、離婚後のトラブルを大きく減らすことができます。

次の章では、離婚時に決めておくべき重要事項である
財産分与・慰謝料・年金分割の記載例
について解説します。

財産分与・慰謝料・年金分割の記載例

離婚協議書では、子どもに関する取り決め(親権・養育費・親子交流)だけでなく、夫婦の財産関係を整理する条項も重要です。

離婚時に決める主な財産関係の項目は次の3つです。

  • 財産分与
  • 慰謝料
  • 年金分割

これらを離婚協議書に明確に記載しておかないと、

  • 財産をめぐる争い
  • 慰謝料請求のトラブル
  • 年金分割手続きの遅れ

などが発生する可能性があります。

ここでは、実務でよく使われる条項の書き方を紹介します。


財産分与の基本モデル

財産分与とは、婚姻中に夫婦が協力して築いた財産を、離婚時に分ける制度です。

対象となる主な財産は次のとおりです。

  • 預貯金
  • 不動産
  • 自動車
  • 保険
  • 有価証券
  • 退職金(将来受給分を含む場合あり)

一般的には、夫婦の共有財産は 2分の1ずつ分けるのが基本とされていますが、具体的な分け方は話し合いで決めることができます。

離婚協議書では、

  • どの財産を
  • 誰が取得するのか

を明確に記載することが重要です。

記載例(預金)

第〇条(財産分与)

甲および乙は、婚姻期間中に形成された共有財産について、次のとおり分与する。

1 甲名義の〇〇銀行〇〇支店普通預金口座(口座番号〇〇〇〇〇〇)の預金は甲が取得する。
2 乙名義の〇〇銀行〇〇支店普通預金口座(口座番号〇〇〇〇〇〇)の預金は乙が取得する。

また、現金で支払う場合は支払金額、支払期限、支払方法を具体的に定めます。

記載例(金銭支払い)

甲は乙に対し、財産分与として金200万円を支払う。
支払いは令和〇年〇月〇日までに乙指定口座へ振込む方法により行う。

さらに、離婚後の紛争を防ぐために、次のような 清算条項を入れることも一般的です。

清算条項例

甲および乙は、本協議書に定めるもののほか、相互に何らの財産的請求をしないことを確認する。

慰謝料を定める際の書き方

慰謝料とは、離婚の原因となった行為によって精神的苦痛を受けた場合に支払われる損害賠償です。

例えば次のようなケースです。

  • 不貞行為(不倫)
  • DV
  • 悪意の遺棄
  • 著しいモラハラ

慰謝料を定める場合には、離婚協議書に

  • 金額
  • 支払方法
  • 支払期限

を明確に記載します。

記載例

第〇条(慰謝料)

甲は乙に対し、本件離婚に関する慰謝料として金150万円を支払う。

支払いは、令和〇年〇月〇日までに乙指定口座へ振込む方法により行う。

分割払いにする場合は、支払回数や毎月の金額を明確にします。

分割払いの例

甲は乙に対し、慰謝料として金150万円を支払う。
支払いは、令和〇年〇月から令和〇年〇月まで、毎月末日限り金5万円ずつ支払うものとする。

また、未払い対策として、

  • 遅延損害金
  • 強制執行条項(公正証書の場合)

を定めることもあります。

年金分割の取決めと届出方法

離婚時には、夫婦の年金記録を分割する 年金分割制度を利用することができます。

これは、婚姻期間中の 厚生年金の保険料納付記録を分割する制度です。

対象となるのは主に次のケースです。

  • 会社員と専業主婦(主夫)の夫婦
  • 共働き夫婦

離婚協議書では、年金分割について次のように定めることが一般的です。

記載例

条(年金分割)

甲および乙は、婚姻期間中の厚生年金の標準報酬の改定または決定の記録について、按分割合を0.5とする年金分割を行うことに合意する。

年金分割の手続き

年金分割は、離婚協議書に書くだけでは完了しません。

実際には次の手続きが必要です。

1 年金事務所で「年金分割の情報通知書」を取得
2 離婚後、日本年金機構に分割請求
3 年金記録の分割が実施

離婚後の請求には期限があるため、忘れずに確認することが大切です。

離婚協議書では、

  • 財産分与
  • 慰謝料
  • 年金分割

を整理しておくことで、離婚後の金銭トラブルを防ぐことができます。

特に、

  • 不動産
  • 多額の預貯金
  • 退職金

などがある場合には、専門家に相談しながら条項を設計することが望ましいでしょう。


次の章では、離婚協議書を 公正証書にするメリットについて解説します。

  • 公証役場での手続き
  • 強制執行認諾条項
  • 養育費や慰謝料の未払い対策

など、実務上非常に重要なポイントを説明します。

離婚協議書を公正証書にするメリット

離婚協議書は夫婦間で作成した書面でも有効ですが、将来のトラブルを防ぐためには「公正証書」にしておくことが非常に重要です。

特に養育費や慰謝料などの金銭の支払い義務がある場合は、公正証書にしておくことで未払い時の対応が大きく変わります。

公正証書とは、日本公証人連合会に所属する公証人が作成する公文書であり、法律上強い証明力を持つ文書です。

離婚協議書を公正証書にしておくことで、次のようなメリットがあります。

公正証書にする主なメリット

  • 支払い義務の内容が公的文書として証明される
  • 未払い時に裁判を経ずに強制執行できる
  • 合意内容が明確になりトラブル防止になる
  • 将来の証拠能力が非常に高い

特に養育費の未払いは全国的に多く、離婚後の生活を守るための重要な備えとして公正証書の作成が推奨されています。


公証役場での手続きの流れ

離婚協議書を公正証書にするには、公証役場で公証人に作成してもらう手続きを行います。

公証役場は全国にあり、どこの公証役場でも手続きが可能です。詳細は日本公証人連合会のホームページでも確認できます。

公正証書作成の基本的な流れ

① 離婚内容を夫婦で合意

まずは次の内容を夫婦間で決めます。

  • 親権(単独・共同)
  • 養育費
  • 面会交流
  • 財産分与
  • 慰謝料
  • 年金分割

② 公証役場へ事前相談

作成予定の離婚協議書案を持参すると、公証人が内容を確認し修正点を指摘してくれます。

③ 必要書類を準備

主に次の書類が必要になります。

  • 本人確認書類(運転免許証など)
  • 戸籍謄本
  • 印鑑
  • 財産資料(通帳コピーなど)

④ 公証役場で署名

夫婦が公証役場へ出向き、公証人の前で署名押印します。

⑤ 公正証書完成

その場で公正証書が完成し、正本・謄本が交付されます。


強制執行認諾条項の効力

公正証書の大きなメリットは、「強制執行認諾条項」を入れられることです。

これは、支払いを怠った場合に直ちに強制執行を受けても異議がないと認める条項です。

この条項が入っていると、養育費などが未払いになった場合、裁判を起こす必要がありません。

通常の契約書の場合は

  1. 裁判
  2. 判決
  3. 強制執行

という手続きが必要になります。

しかし公正証書の場合は

未払い → すぐ強制執行

という流れになります。

つまり、時間も費用も大幅に節約できるのです。


養育費・慰謝料の支払い保証につながる仕組み

公正証書があると、給与や口座などへの強制執行を検討しやすくなります。

主な強制執行の対象

  • 給与の差押え
  • 銀行口座の差押え
  • 不動産の差押え

特に養育費は長期間続くため、支払いを担保する意味でも公正証書は有効です。

そのため離婚実務では、

「養育費を定める場合は公正証書にする」

というのが一般的な対応になっています。

また、公正証書は長期間効力が続くため、子どもが成人するまでの養育費の支払いを担保する意味でも重要な書類になります。

よくある質問(Q&A)

離婚協議書を作成する際、多くの方が同じような疑問を持ちます。
ここでは、実務で特に相談が多いポイントについてQ&A形式で解説します。


Q1.どちらが協議書を作るべき?

結論として、どちらが作っても問題ありません。
離婚協議書は夫婦の合意内容を書面にしたものなので、法律上は作成者に決まりはありません。

一般的には次のようなケースが多いです。

よくある作成パターン

  • 養育費を受け取る側が作成
  • 条文作成に慣れている側が作成
  • 行政書士など専門家が作成

ただし重要なのは、一方的に作らないことです。

離婚協議書は夫婦双方の合意が前提になるため、

  • 内容を双方が理解している
  • 内容に納得している
  • 署名押印をしている

という状態で作成する必要があります。

なお、専門家に依頼する場合は、離婚協議書作成のサポートを行っている
日本行政書士会連合会所属の行政書士などに相談する方法もあります。


Q2.書式に決まりはある?

離婚協議書には法律上の決まった書式はありません。

つまり、

  • Wordで作成
  • 手書き
  • テンプレート使用

いずれでも問題ありません。

ただし実務上は、次のような基本構成がよく使われます。

離婚協議書の基本構成

  1. 当事者の氏名・住所
  2. 離婚の合意
  3. 親権
  4. 監護者
  5. 親子交流
  6. 養育費
  7. 財産分与
  8. 慰謝料
  9. 年金分割
  10. 清算条項
  11. 作成年月日・署名押印

また、養育費など金銭の支払いを定める場合は、
将来の未払いに備えて公正証書にすることが推奨されています。

公正証書の作成は全国の公証役場で行うことができ、制度の詳細は
日本公証人連合会でも確認できます。


Q3.共同親権選択の場合の注意点

2026年の民法改正により、離婚後の親権について共同親権を選択できる制度が導入されました。

共同親権を選ぶ場合は、単独親権よりも具体的な取り決めが重要になります。

特に次の点を明確にしておくことが重要です。

共同親権で決めておくべき主な事項

  • 監護者(実際に子どもを育てる親)
  • 子どもの居住地
  • 学校や進学の決定方法
  • 医療・教育に関する重要事項の決定方法
  • 親子交流の頻度

共同親権では、両親が共同して子どもの重要事項を決めるため、
意思決定の方法をあらかじめ決めておくことがトラブル防止につながります。

また、共同親権制度の詳細については、
法務省が公開している制度説明やモデル条項も参考になります。

行政書士に相談して作成するメリット

離婚協議書は、夫婦が合意すれば自分たちで作成することも可能です。
しかし実際の相談では、「ネットの雛形を使ったけれど内容がこれでよいのか不安」「後からトラブルにならないか心配」という声が多く聞かれます。

特に2026年4月の民法改正により、離婚後の親権制度や養育費制度が変わったため、離婚協議書の条項設計はこれまで以上に重要になっています。

そのため、確実な内容で離婚協議書を作成したい場合は、書類作成の専門家である行政書士に相談することが一つの方法です。

行政書士は、書類作成の専門資格を定めた
行政書士法に基づき、契約書や合意書などの作成を業務として行うことができます。

ここでは、行政書士に依頼する主なメリットを解説します。


法改正対応の正確な条項設計

2026年の民法改正では、離婚に関する重要な制度が変更されました。
具体的には次のようなポイントが実務に影響します。

改正後に重要になる条項

  • 共同親権の選択
  • 監護者の明確化
  • 親子交流の具体的取り決め
  • 法定養育費制度
  • 養育費未払い時の対応

これらの制度は
法務省が中心となって整備されたもので、
古いテンプレートでは十分に対応できていないケースもあります。

例えば次のような問題が起こることがあります。

よくある失敗例

  • 親権は決めたが監護者が書かれていない
  • 面会交流の頻度が曖昧
  • 養育費の支払期限が不明確
  • 未払い時の対応が定められていない

行政書士に依頼することで、こうした実務上のポイントを踏まえたトラブルになりにくい条項設計がしやすくなります。
離婚後のトラブルを減らしたい場合には、有効な選択肢です。


公正証書化までの一括支援

離婚協議書を作成する場合、特に養育費や慰謝料など金銭の支払いがあるときは、公正証書にすることが強く推奨されます。

公正証書とは、公証人が作成する公文書であり、全国の公証役場で作成することができます。
制度の概要は
日本公証人連合会でも公開されています。

公正証書にする最大のメリットは、強制執行認諾条項を入れることができる点です。

これは簡単にいうと、

支払いが滞った場合に裁判をせず差押えができる仕組み

です。

行政書士に依頼すると、次のような流れを一括でサポートしてもらえるケースが多くあります。

行政書士サポートの一般的な流れ

  1. 離婚条件の整理
  2. 離婚協議書の作成
  3. 公正証書用原案の作成
  4. 公証役場との事前調整
  5. 公正証書作成当日のサポート

特に初めて離婚手続きを進める方にとっては、手続き全体の流れを整理してもらえる点が大きなメリットになります。


鹿児島の行政書士による実例紹介

実際の相談では、次のようなケースで行政書士に依頼される方が多くいます。

相談事例

・養育費の取り決めを確実にしたい
・公正証書を作りたいが手続きが分からない
・親権や面会交流の書き方に不安がある
・共同親権を選択するか迷っている

例えば鹿児島では、離婚協議書の作成後に公証役場で公正証書を作成するケースが多く見られます。

一般的な流れは次のとおりです。

鹿児島での公正証書作成の流れ

  1. 離婚条件の整理
  2. 離婚協議書の作成
  3. 公証役場へ事前予約
  4. 公証人による内容確認
  5. 公正証書作成

地域の行政書士に相談することで、

  • 地元の公証役場の手続き
  • 実務で使われる条項
  • 離婚後の手続き

などを踏まえた具体的なサポートを受けることができます。

また、行政書士制度の概要については
日本行政書士会連合会でも確認できます。


離婚の事情や家庭の状況によって必要な条項は大きく変わるため、不安がある場合は専門家に相談することも検討してみてください。

👉「いわもと行政書士事務所」のホームページ

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